こんばんは。
こはまたつろうです。
そして、今日は晴れ間も見えて、
嬉しくて野良仕事をたくさんしてしまいました。
さて、前回の記事の続きですが、
狩猟を続けるにあたって、様々なハードルがあることが
わかってきました。(新米猟師ですが)
猟師を続けていくうえでの問題点を考える
ここを考える場合に、
まず猟師をやる上での動機について、
それぞれ分けて考える必要があると思います。
猟師を始める動機について
動機としていくつか考えられるものを挙げると、
- 狩りを楽しみとして行いたい
- 獣害を減らしたい(個体数調整)
- ジビエ肉を自給したい
- 生業としたい(お金を稼ぐための手段)
この4つくらいが
考えられます。
猟師を続けるにはお金がかかります!
これは、何度も書いてきたことですが、 自給自足といえば・・・ まず思いつくのが食料の自給ですね。 今回は、わな猟によって、野生動物のお肉(ジビエ)の自給を目指す上で必要なお金についてお話しします。 ... 続きを見る
わな猟を始めるにあたって必要なお金の話 その1
免許取得関連費用、猟具・装備品などを揃える費用(わな猟の場合)、
解体をする場合は解体の道具や消耗品などの
初期費用がありまして、
自分で解体するところまでを考えると、
合わせて、最低でも20万円くらいはかかります。
わな猟の場合、猟具は消耗品なので、
自分で修理しつつも、新たに購入する必要があります。
そして、免許の更新(診断書と手数料だけで5600円+会場への交通費)の際にも、
毎年の狩猟登録(1万円)+ハンター保険(1700円)にも
なんやかんやとお金がかかるのも確かです。
猟師を続けるうえでの問題点の一つがお金です。
猟をするための、上記の金額を高いと考えるか、安いと考えるか。
ここに一つのポイントがあります。
上に挙げた、狩猟を行う動機の違いによって、
高いと感じるか、安いと感じるかは変わってくるでしょう。
1.狩猟を楽しみとして行いたい場合
野生動物の命を奪う行為なので、
魚釣りのように堂々と趣味ですとは
言いづらいと思いますが、
実際に狩猟をやってみて、
不謹慎ながら楽しさは感じました。
僕はわな猟しか、経験していませんが、
動物の足跡や痕跡を頼りに、
ここに仕掛けたら掛かるんじゃないかと、
自分なりに予想して罠を仕掛けます。
自分の予想通りに、動物が掛かると、
やった!よっしゃ!という氣持ちになります。
まあ、そのあとの止め刺しは
怖いですし、氣が重たいですよ。
とはいえ、趣味でやる場合は、
お金も手間暇もかけて当然だし、
見返りとして、ジビエ肉が手に入ったりしたら
万々歳だと思います。
趣味の場合、
基本、最初から採算を考えて
やり始めないですよね・・・
狩猟を趣味として行う場合は、お金のことは問題になりません。
もちろん、趣味が高じて、
仕事になる場合もありますよ。
2.獣害を減らしたい場合
農作物や、林業などへの被害は
近年より深刻になってきていると感じます。
イノシシが道や、庭などを掘り返して、
困るという場合もあります。
獣害を減らす対策として、誰でも出来ることは、
柵をすることしかないのです。
とはいえ、柵をするにしても限界があります。
田畑を荒らされた経験のある方は、
イノシシやシカなどの野生動物に怒りを
覚えている方もおられるでしょう。
やられたらやり返す、じゃないですけど、
なんとか一矢報いたいと思って、
猟師になる人の数は少なからずいます。
シカが増えすぎると、山の中の生態系が崩れてしまうので、
自然環境保全の意味合いを持って、
狩猟を始める方もおられるでしょう。
これらの動機の場合、
狩猟を続ける際の経済的な負担が
ボディブローのように、
じわじわと効いてきます。
獣害対策として狩猟をする場合は、お金の問題は大きいです。
農業をされている人で、
獣害対策のために
狩猟免許を取って、狩猟を始めた人を
知っていますが、
途中で狩猟を辞められる方もおられます。
というのも、
片手間で狩猟を始めても、
なかなか成果があがらない、
つまり捕獲できないということが
その理由の一つです。
また、
それなりに時間と労力、お金が
かかるので、
本業が忙しかったりする場合、
狩猟にまで手が回らないということも
理由として考えられます。
3.ジビエ肉を自給したい場合
うまいこと処理できたジビエ肉は、
臭みもなく、本当に美味しいです。
しかし、いざ買うとなると、
ジビエ肉は値段が高いので、庶民には手が出ない~!
自分で獲れば、
いつでも気軽に食べることができます。
野生動物の肉は
エネルギーの塊みたいな肉だと
僕は感じています。
スーパーで買う肉も美味しいですが、
食べ比べると、肉そのものの濃い味に
驚きます。
ジビエ肉の自給のため、
という観点からすると、
費用対効果は、しっかり検証すべきだと
思います。
ジビエ肉の自給が目的の場合、お金は大きな問題です。
初期投資や、つぎ込んだ労力と、
得られた成果を天秤にかけて、
自分で納得できれば、大丈夫でしょう!
しかーし!
野菜、お米の自給でも同じですが、
自給自足というと、お金がかからないイメージがありますが、
それは違います。
特に、自給自足を始めたばかりの人は、
基本的に、技術も経験もないし、少なからず初期投資が必要なので、
始めて数年間は、
自給で手に入る食料よりも、
むしろ出費の方が多いでしょう。
お金で買わずに、
ジビエ肉を自給できると思い、
狩猟を始めたはいいけど、
トータルで考えたら、買った方が安いやーん!
ということは、
最初の数年は覚悟しておく必要があります。
まあ、動機は複数のものが
絡まっていると思うので、
ジビエ肉の自給だけを分離して
考える必要はないのですが・・・
4.お金を稼ぐための手段としての場合
これは以前にも記事に書きましたが、
猟師で、お金を稼ぐことは可能です。
お金を稼ぐための必要経費と考えると、
これはどんな分野でも当たり前のことですね。
お金を稼ぐ目的の場合、住んでいる場所が超重要です。
なぜならば、住んでいる地域によって、
稼ぐに当たっての条件が全く異なるからです。
僕の住んでいる地域では、狩猟で稼ぐのは難しいです。
狩猟でお金を稼ぐには、
- 有害鳥獣駆除の隊員になり、有害鳥獣駆除の奨励金を得る
- イノシシ肉を肉屋へ卸す
- 自分で解体処理施設を立ち上げ、食肉として販売する
- その他、アイデアを考える
以上が基本です。
僕の住んでいる地域では稼ぐのが難しい理由は・・・
各市町村の猟友会支部によって、
有害鳥獣駆除の際の、個人へ支払われる報酬額が大きく異なるからです。
報酬が高いところでは、鹿一頭あたり2万円程度
報酬が安いところでは、鹿一頭当たり2000円程度。
その差、なんと10倍!(僕の知る範囲では)
僕の住んでいる地域は、その安い方です。
ですので、そういう地域の場合、
有害鳥獣駆除で稼ぐということは現実的ではありません。
また、イノシシ肉を、ジビエを扱っている肉屋さんに卸すことで、
お金を稼ぐことは可能ですが、
近くにそういうお肉屋さんがないと、
それも難しいですね。
僕の場合は、車で50分くらいかければ、
そういうお肉屋さんがあるので、
可能性はあります。
自分で、解体処理施設を立ち上げるには、
相当初期投資が必要だし、地域住人の理解も必要だし、
猟友会との良好な関係は必須ですし、
狩猟初心者では難しいでしょう。
獣害を減らしたいという動機の場合が問題です。
- 獣害で困っている地域の人のために頑張りたい!
- 地域の人からも、なんとか獲ってくれないかと頼まれる。
- よし!やるぞと張り切る。
- しかし、いざ狩猟を続けていくとなると、
お金や時間、労力などは、個人負担なんだよなと氣付く。 - 心に迷いが生じる。
この流れは、
僕自身の場合として、
実際にありました。
結論
獣害を減らしたい、という動機のみで、狩猟を始めるのはお勧めできません。
獣害を減らしたいのであれば、侵入されたくない場所に
しっかりとした柵をめぐらせる方がよいと思います。
とはいえ、
経済的にも、時間的にもゆとりのある方で、
自然の生態系の保全や、
困っている人のため力になりたいという使命感が強い方には、
ぜひとも狩猟をしていただきたいです。
ジビエ肉の自給、狩猟でお金を稼ぐことを目的とする場合は、
住んでいる地域の実情をしっかり把握しましょう!
自給自足といっても、お金は必要なので、
ジビエ肉の自給をしつつ、
たくさん獲れたものに関しては、
お金に換えることが出来た方が
絶対によいです。
その場合は、
地域によって、可能性が全然違います。
有害鳥獣駆除の隊員になれて、
報奨金が多くもらえる地域に住むべきです。
僕は、猟師の先輩からは、引っ越しをすすめられました(笑)
引っ越しする氣は全くもってありませんけどね。
なんとか、アイデアを出して、
技術、経験を磨き、
ある程度は稼いでいけるように
なりたいと思います!