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中山間地の農業を考えるその1~現状の課題とは~

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中山間地の農業を考えるその1~現状の課題とは~

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自給自足を始めて7年目。

最初は、家族が食べる分を栽培するくらいだったのですが、

だんだん任される農地が増えて、規模が拡大していきまして、

そろそろ、農業に片足を突っ込みつつあります。

 

そんなわけで、中山間地での農業のことについて感じていることをまとめてみたいと思います。

 

中山間地の農業を考える~その1 現状の課題~

山に囲まれた農地

 

まず初めに、農業とひとえに言っても、

  • 何を育てるか
  • どんな場所で育てるか

などの条件によって、全然中身が違ってきます。

 

例えば、田んぼでお米を栽培するのと、

ビニールハウスで水菜などの葉物野菜を年間通じて栽培するのでは、

全然違いますね。

 

野菜と言っても、色んな種類がありますし、
イチゴを栽培するとか、果樹を栽培するとか、
養鶏や、酪農なども農業です。

 

また、北海道のような広大な農地(平地)が広がっている所と、

中山間地と言われるような、山間部の狭い農地では、全然違いますし、

暖かい土地と、寒い土地、風が強いとか、雨が多いとか、獣害があるとかないとか、

場所によっても、全然違います。

 

ここでは、僕が住んでいる中山間地での農業について考えてみたいと思います。

 

僕の住んでいる中山間地の条件

  • 農地は、圃場整備してあり、最大3反くらいの広さ(一反くらいの農地もたくさんある)
  • 土質は粘土質
  • お米の平均収量は、全国平均と比べると8割程度。
  • 一枚の田んぼの畔や土手(斜面)が広い
  • 標高350メートルほどで、冬の最低気温はマイナス10度くらいまで下がる
  • 寒暖差があるためか、美味しい作物が育ちやすい
  • 山間部ではありながら盆地になっていて、ひらけており、日当たりは良好
  • 農業用水の水源は、山からの水を溜めている、「ため池」のみ
  • 鹿や猪、小動物などの獣害がある。鹿が特に多いが、サルはあまりいない

ざっと考えても、このくらいの条件が考えられます。

 

比較するために、例えば北海道のような広大な平野部の農地(好条件の所)の条件を考えてみましょう

  • 農地の広さは、一枚当たりが2町、3町以上は当たり前。(1町は10反)
  • 土質は火山灰土(クロボク土とも言う)
  • 平均収量は、ほぼ全国平均レベル
  • 冷涼な土地柄。積雪は多い。
  • 平野部なので、日当たりは抜群。
  • 平野なので、畔などでも、斜面は少ない
  • 農業用水は整備されている
  • 獣害は少ない

 

こうやって比較してみると、

特筆すべき点としては、

 

一枚当たりの農地の広さが全然違うということが

農業という点では、かなり大きな違いになってきます。

 

大きな農地だと、大型の農業機械効率的に使えるし、

一つの農作物を得るために必要な時間が、大幅に短縮できるという利点があります。

 

小さい面積の農地で栽培するのとでは、能率が何倍にも違ってくるので、

それは、当然、収入にも大きく影響します。

 

大型の農業機械があってこその話ではありますが、

小さい農地だとしても、農業機械は使うわけで、

育てる作物は限定されるにしても、広大な農地でやることにより、

機械をより効果的に使うことが出来るのは確かです。

 

また、獣害のあるなしでも、全然違います。

猪に倒された稲

獣害対策のため張り巡らされたネット

 

 

中山間地は、圧倒的に条件は不利です

ビニールハウスなどの施設栽培の場合は、日当たりの良し悪しなどは関係しますが、

おおむねどこの地域で栽培しても、それほど大きな差は出にくいでしょう。

 

しかし、お米などの穀物類で、

機械化が進んでいる作物に関しては、

中山間地での農業は、広い平野部に比べると条件は不利です。

 

具体的に、お米の栽培で考えてみます。

お米の栽培

 

  1. 獣害対策に時間と費用がかかる
  2. 獣害対策をしなければ、収量は激減する可能性が高い
  3. 草刈りをする面積が広く、時間と費用(燃料費など)がかかる
  4. 大面積の田んぼがないため、能率を上げることは難しい
  5. 高収量が望めない土地柄

 

以上の理由から、30キロ一袋を得るための

費用と時間は、平野部の農地とは大きな差が出てきます。

 

ですが、草刈りをしている時間が増える、というようなことは、

経費として表面化しにくい部分でもあるので、見過ごしてしまいがちだったりもします。

 

近所でお米作りをやめていく兼業農家さんが増えています

高齢化で、と言うこともあるのですが、

獣害や異常気象などで、お米の収量が減ってしまった年なんかは、

お米作りが赤字になってしまったりということが実際にあるからです。

しかも、この赤字というのは、自分の労働時間を経費として入れていなくて

それで赤字なのです。

自分の労働時間を時給換算していれると、赤字幅がより拡大するのは間違いありませんね。

 

そんな状況でも、先祖代々引き継いだ農地を守っていきたいという想いで、

踏ん張って続けておられる方もいます。

 

また、一方で、手放された田んぼを引き受けて

大規模に農業を経営している、大農家さんもおられたりします。

 

そういった大農家さんでも、家族経営だったりすると、

30代40代の経営者とその父親が70歳代で一緒に農業をしているというケースも多いです。

 

5年10年先には、現状と同じだけの面積を維持していけるのかも、

楽観的にはなれないのが現実だったりもします。

 

結局、何が課題なのか?

高齢化は、日本全体の話で、ある意味仕方ないことなのですが、

若い農業者が増えていかないということが問題で、

 

その原因としては、

「普通に農業をしていても稼げない」という現実が一番大きいのかなと思います。

 

若い農家の方も知っていますが、

ほとんどの方は、一生懸命、身を粉にして働いています。

その労力に見合っただけの経済的な見返りがないということは、

どうしても夢や希望を抱きにくいです。

 

もちろん、農業は、土に触れ、生きる資本である食料を生産するわけですし、

やりがいはあるし、作業時代に楽しさもあります。

自然の中で、身体を動かす作業はストレスも少なく、

魅力的な点もたくさんあります。

 

ただ、家族を養っていくためという点で考えると、

労働時間の割にはしんどい面もやはりあって、

そこが大きな課題です。

 

さらには、天候不順によっても、

作物の出来がかなり左右されてしまうので、

いくら一生懸命に働いても、不可抗力で

結果が出ないということも、普通によくあります。

 

そういう意味では、

うまく栽培できたときには、

かなり大きな見返りがある!というようなことがあると、

面白みがあります。

 

ところが、大豊作の時というのは、

周りの農家さんも同じように大豊作の場合があって、

そうなると市場の価格が却って下がってしまう、

なんてこともあったりします。

 

というわけで、

今回は、中山間地における農業のかなり厳しい状況について、

ちょっと悲観的にまとめてみました。

 

このままでは、後味が悪いですし、

では、どうしていくと、光が見いだせるのか?

ということについても、次回、考えてみたいと思います。

 

最後まで読んでくださってありがとうございました。

 

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